レッドライト療法の現場から①
眼軸長が短くなるという研究結果も
2014年に中国で発見され、その近視抑制効果の高さから注目を集めてきた最新の治療法が「レッドライト療法」です。子どもの近視ナビでも日本での研究の第一人者である大野京子先生にお話しを聞くなど、紹介してきました
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レッドライト療法で使われる医療機器は日本国内ではまだ未承認ではあるものの、2023年ごろから自由診療で取り扱うクリニックが増えてきました。そうしたクリニックの1つが埼玉県さいたま市南浦和の「とびた眼科」です。「とびた眼科」院長の飛田秀明先生に、レッドライト療法に取り組みはじめた経緯や実際の治療などについて話を聞きました。

「ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、アジア人種はほかの人種に比べて近視がとても進みやすいといわれています。そのためか、白色人種をもとに開発された近視治療では、アジア人にはなかなか効果が出にくいというのが現状でした。
より効果的な治療法を探す中で出合ったのが「レッドライト療法」です。私の出身医局である東京医科歯科大学眼科学教室教授の大野京子先生の発表を拝見し、その結果に衝撃を受けました」
国内でレッドライト療法の研究を手がける大野先生の研究結果によると、オルソケラトロジー、特殊なデザインのメガネによる治療などと比較しても、レッドライト療法の効果は圧倒的に高かったそうです。
研究では、週に4日以上、1年間レッドライトを使用した場合、90%以上の子どもに近視の度数が抑制されたという結果が確認できています。さらに、中国では、毎日レッドライトを使用するという実験も行われており、その結果、かなりの高確率で、近視抑制効果を得られているのだとか。
また、これまではいったん伸びてしまった眼軸を短くする治療法はありませんでしたが、レッドライトを当てると、目の組織に栄養を送る血流が促進され、血管の組織が厚みを増すことで、眼軸が短くなると考えられています。実際に、20%以上の子どもが1カ月ほどで眼軸長が短くなったという研究結果もあります。
「さまざまな新しい治療法が出てくる中で、効果が抜群に高いレッドライトには以前から注目していました。そこで、国内の信頼できる研究者である大野先生の研究結果を拝見したことが、実際にレッドライト療法をはじめる大きなきっかけとなりました。

クリニックで説明用に使っているレッドライトの機器
私の病院がある南浦和は、とにかく子どもが多い場所。近視の子どもたちがどんどん増えているという実感がある中で、それを何とか食い止めたいという想いで治療を続けています。現在、私のクリニックでは、レッドライト療法を受けている患者さんが20名ほどいらっしゃいます。近隣の方々だけでなく、都内からいらっしゃる方もいて、注目の高さがうかがえますね。レッドライト療法だけでなく、すべての近視治療の実績を記録しグラフ化しているのですが、レッドライト療法がほかの治療法と比べて格段に効果が高いことがわかります。」(飛田先生)
【お話を聞いた先生】
飛田秀明(とびた・ひであき)
新潟大学医学部卒業後、東京医科歯科入局後、都内や埼玉県内の関連病院で、白内障や網膜疾患の手術など、多くの患者さんの治療にあたる。
2018年に、「とびた眼科」を南浦和に開院。治療だけでなく、子どもの近視抑制にも力を入れている。
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