『眼科専門医と考えた「測るだけ眼トレ」ブック』(アスコム)
編集部おすすめ、
『眼科専門医と考えた「測るだけ眼トレ」ブック』(わかさ生活・著 林田康隆・監修 アスコム・刊)は、そんな思いが込められた本です。
表紙に、「測る+鍛えるで大人も子どもも目の悩みがスッキリ!」とあるように、“視力の測定”と“眼のトレーニング”がパッケージにされています。
この本の第一の特徴は「視力の測定」。オリジナルの視力検査表がついており、定期的に測ることをすすめています。
なぜ、測定がいいのかといえば、目の酷使に気づくきっかけになるからです。
「視力を測る」
視力は年単位の長い時間をかけて、少しずつ低下していくものというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。それ自体は間違っていませんが、この本によると、視力は一定のスピードでまっすぐ下がっていくわけではなく、上がったり下がったりの繰り返しでジグザグに変動しながら、全体として徐々に低下していくのだそうです。
本を顔に近づけて読み続けたりゲームを長時間したり、大人だったら一日中パソコン仕事をしたりスマホを見続けたりしたあと、「あれ、なんだか遠くのものに焦点が合わない。やばっ。視力が下がったかな」と感じた経験は、誰しもお持ちでしょう。
そんなときは、目の疲れを自覚して休憩をとったり、遠くを眺めたりして、目を労わってあげることが必要です。
でも再び目を酷使し、それがたびたび繰り返されるうちに、目はどんどん悪くなってしまうのです。
そこで、視力の変化を正しく知り、酷使を繰り返さないために「視力を測る」ということが重要になってくるのです。
書籍の中では、
「目を守るためには小さな習慣が大事!」
と強調されており、大事にするべき習慣として3つのことが挙げられています。
-
①視力の変化を正しく知ること
-
②目の「見る力」を意識すること
-
③目を酷使する時間を減らすこと(上手にマネージメントすること)
大事なのは、目に関する毎日の“気づき”と“ケア”なのですが、そう言われても、じゃあ具体的には何をすればいいの?と考えてしまいますよね。
大丈夫です。
本の中に、わかりやすく整理されています。
折り込みの視力検査表を切り取って壁に貼れば準備はOK。
あとはその表で毎日視力を測り、結果を「視力手帳」に記録し、1日1分の「眼トレ」をおこない、生活習慣を見直してみてください。
ひとつ注意したいのは、視力測定+眼トレをするだけですべてOK!ということではないこと。大事なのは、あくまでも目に対して労わる気持ちを持つことです。
特にお子さんは、あまりやりすぎると、目が疲れて逆効果になることもあるので、
気を付けてください。また、視力測定+眼トレを行うなかで、少しでも目に違和感を覚えたり、心配なことが出てきた場合は、すぐに眼科医に相談してくださいね。
〈参考文献〉
わかさ生活・著、林田康隆・監修 『眼科専門医と考えた「測るだけ眼トレ」ブック』(2020年、アスコム)
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