レベルが高い眼科医院を見分ける方法とは
“視能訓練士”
学校の視力検査を受けた子どもが悪い結果を持ってきたり、遠くのものを見えにくそうにしていたりしたら、ドキッとしてしまいますよね。子どもの目に違和感を覚えたら、一刻も早く眼科医を受診したいはずです。でも、焦ってスマホで検索してみても、家の近所には思っていた以上にたくさんの眼科専門医があることがわかりますよね。
ホームページを一つ一つ見てみると、どこのお医者さんもちゃんとしているようで、正直、どこでも良さそうな気がするんだけど？
いやいや、ちょっと待ってください。
この一瞬の選択の良し悪しが、大切なお子さんが一生使う目の健康を左右してしまうかもしれないのですよ。
それでは、何かわかりやすい基準はないものかと、兵庫県で５つの眼科医院を運営する医療法人社団医新会理事長、新見浩司先生に聞いてみました。
「それは難しい問題です。私も一開業医で、患者さんから選んでいただく立場ですし、他の眼科医をとやかくいう筋合いではありませんから」
そんなふうに言いよどむ新見先生に、そこをなんとか、小さなポイントだけでも教えてくださいと食い下がると、聞き捨てならないキーワードが出てきました。
「“視能訓練士”がいる眼科を選ぶことです。視能訓練士がいる眼科といない眼科では、視機能検査のレベルがかなり違います。全ての眼科に視能訓練士がいるわけではなく、より高いレベルの診療を目指している施設にしかいません」
国家資格である視能訓練士とは、眼科医のもとで、医療行為以外のさまざまな目に関する専門業務を担当する人のこと。
もっとも基本的な仕事は、視力や視野などさまざまな視機能検査をおこなうことです。
視機能検査にはさまざまな最新機器を用いますが、視能訓練士はそうした機械の扱いにも精通しているので、医師が個別の患者に対してどのように治療を進めていくべきか、判断材料となる正確なデータを出してくれます。
また弱視や斜視の症状がある人や、眼疾患やケガによって視機能低下を起こしてしまった人に対し、訓練やケアによって症状の改善を促すのも視能訓練士のお仕事です。
お子さんの視力悪化の原因は、近視の進行によるものとは限りません。近視以外の遠視、乱視などの屈折異常かもしれません。あるいは斜視や眼球そのものの病変かもしれません。
さらには脳腫瘍などの重篤な病気が原因である場合もあります。
視能訓練士は医師と二人三脚を組んでさまざまな検査をおこない、子どもの目に起こっている事態を正確に探り出す役割を担ってくれるのです。
「視能訓練士がいなくても眼科医を運営することはできるので、雇うかどうかはそれぞれの医師の判断に委ねられています。視能訓練士を雇うのには、当然のようにコストがかかります。それでも視能訓練士の重要性をしっかり認識し、雇っている眼科医というのは意識が高いはずなので、選んで間違いないでしょう」
視能訓練士がいるかどうかは、各眼科のホームページを見るとわかるようになっていることが多いようです。
もしもよくわからなかったら、電話をして『そちらには視能訓練士さんがいらっしゃいますか？』と聞いてみるのがいいとのこと。
眼科選びに迷ったら、まずは、視能訓練士がいるかどうかをチェック！
〈参考文献〉
新見浩司・監修『お医者さんがすすめる視力回復 本物の「目の体操」7日間メニュー』（2013年、リンケージワークス）
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